中古レコード、CDの買取や販売について、また日々の経営について、考えたこと、伝えたいこと、などいろいろ書いていきます。月に1~2回、更新していく予定です。
コミュニケーション能力は、中古レコード店の店主にとって必要なのか?店主のコミュニケーション能力アレコレ!
更 新:2026-02-24
テーマ:中古レコード店の経営
<目次>
❶コミュニケーション能力が全くない店主もいる!
❷大事なのは、コミュニケーション能力というよりも、交渉力!
❸私はどうやって交渉してきたか。悪戦苦闘!アレコレ。
❹全く交渉力のない店主の、典型的なダメダメパターンとは。
❹営業も会議も、すべては交渉力!
❺まとめ
___________
■コミュニケーション能力はこの仕事には大事なのか?
実は、私はコミュニケーションが大の苦手だ。学生時代から無口で、母親が言うにはあまり泣かない赤ん坊だったというから、生まれつきなのだろう。さすがに年の功で少しは話せるようにもなったが、口下手は変わらずで社交性もゼロのままである。
もっとも、この中古の業界は寡黙でブスッとした職人タイプが多く、底抜けに明るいタイプは見たことがない。世の中ではコミュニケーション能力は重要だということになっているが、この業界の人はそうじゃないように見える。
ただ、中古レコード店や古書店は、お客さんから買い取りをしなければ成り立たない商売である。特にレコード屋の場合は古書店と違ってセリがないからお客さんから直接に買取しなければいけない。(※海外から買い付けする業者もいるが、今は海外の物価が高すぎて商売にはならない)
多くのお客がわからないのは、モノを集めるにはそれなりの宣伝費用、あるいは、手間暇がかかるということだ。(※宣伝費は年間数十万が普通。SNSでただで宣伝しようとすると、毎日の更新が大変)ものを集めるのは簡単ではない。しかし、買取で経営が決まる以上、いくら普段はブスっとした店主でも、お客とのコミュニケーションはどうしたって必要にはなるのである。
じゃあ、コミュニケーションが人並以上にできる人が、みんな買取がうまくできるかっていうと、必ずしもそうじゃない。実はここが大問題なのだ。話のうまい下手と、買取の成果は必ずしもイコールではない。コミュニケーション能力と買取能力はまた、別のことなのだ。
一般のサラリーマンも同じだが、コミュニケーションができる人が営業成績が良く、出世しているわけじゃない。大物政治なんか、むしろ口下手だったりする。
■
話を戻す。買取の成功率を上げる能力とは何なのか。それはズバリ、交渉力である。交渉力こそが、この仕事における最重要課題なのだ。確かにコミュニケーション能力もレコードの商品知識も大事である。しかし、それは交渉を強力に推し進めるための道具に過ぎない。この点は誤解が多い。自分はレコードに詳しいからレコード屋ができると勘違いしている人が実に多い。私もこの手の人たちには本当に辟易する。やれるもんならやってみろ、と言いたくなる。
繰り返すが、この仕事の成功のカギを握るのは交渉力である。交渉力なくして、いい買取はなく、売り上げもない。いくら人柄がよく、深い商品知識があっても、経営の知識と交渉力のない人がうまくいくことはない。今回は、このことを声を大にして言いたい。
■
では、その具体的な説明の前に、自分の話をちょとしたい。自慢じゃないが、私は長年、出張買取の成功率はほぼ100%でやってきた。失敗は年に1度あるかどうかで、お客さんのほうから店に持ちもみしてくれた場合(店買い)では90%ぐらい。どちらの数字もかなりいいほうだと思う。
健全な経営をされている店舗は例外なく買取成功率は高い。一方、成功率の低い、ケチケチ店主の店でいい店はない。どんどん買うからこそ、どんどん売れる。在庫過剰品も増えてくるが、そういうのはまとめて安く売り、それを目当てにさらに多くのお客さんが増えるという好循環が実現する。こう書くと簡単なようだが、視野の狭く自分のことしか考えないようなケチケチ店主にはどうにも理解ができないようだ。じゃあ、ダメ店主はどうすればいいかというと、まず交渉力を強化すること、経営の勉強をちゃんとやること、そして自分の視野を広げること。これらをちゃんと実行すれば2~3年で成果が出る。
■
では、買取の交渉力について、具体的に話す。
まず、出張買取の場合のポイントを列挙する。
①店はお客よりも強い立場だと考えること。お金を出すのは店側である。特に出張の場合は、こちらがわざわざお客の家まで足を運んでいる。当然ながらお客の何倍もの強い立場にある。お客様は神様じゃない。むしろこちらのほうが神様なのだ。そういう自覚をしっかり持つこと。
②出張買取では、買取するまでは絶対帰らないという不退転の気持ちが大事。相手が、もう結構ですからおかえりくださいと言うまでは粘るべき。(日米の貿易交渉を見よ)二転三転する難しい交渉でも、言葉を尽くして不利な状況を何とかしてひっくり返す、または、落としどころを見つけて円満解決を図るための最大限の努力をすること。とにかく粘る。簡単にあきらめない。
③交渉だから、妥協することも大事なこと。相手によって柔軟に対応することも大事なこと。提示した金額で断られたら、簡単にあきらめて、何も買わずに空手で帰る業者も多いが、実にもったいない。これは下の下で、子供の使いと同じである。交渉には相手があるのだから、100%こちらの思い通りになるわけじゃない。最後は、どのぐらいまでなら妥協できるかの数字を常に頭に置きながら交渉することは、基本中の基本。
④最後はできるだけ、ウィンウィンの買取になることを心がけること。ダメ店主がなぜダメかというと、安い金額で買ってやろうと自分のことしか考えないからだ。損して得取れ。相手には、平均相場よりちょっと高めの金額を提示し、できるだけ速やかに交渉を決め、買取の成功率を高めたほうがずっといい。そういう簡単なこともわからない人は、この仕事は向いていない。ただ実際には、ウィンウィンを心がけても、手ごわいお客もいれば、中には本当に悪い客もいて、大げんかになることも何度かあった。
■交渉力を発揮するためのコツ。
先の交渉力のポイントについて、もう少し詳しく説明しよう。
先に書いたポイントはあくまで交渉の骨組みであって、実際の現場ではなかなか思い通りにはいかない。うまく交渉するにはコツがあるのだ。
①
次回以降の掲載予定!
■この商売で、本当に生活が成り立つのか? 私の市場調査、体験アレコレ。
■人生は準備で決まる! 先手必勝の哲学講座!
■黙って閉店する身勝手な店主は,大カツだ! 店主の引き際の正しい心得とは何だ。
※以上、順不同。月1回の更新予定。
過去の関連記事